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カールじいさいのモデルは宮崎駿説、そしてピクサー愛について大いに語る、の巻

※「カールじいさんの空飛ぶ家」の内容に若干ふれています。
 ネタバレが心配な方は読まないようにしてください!


ピクサーの最新作『UP』(『カールじいさんの空飛ぶ家』)を観ました。
予告篇ですでに泣かされそうになっていて、でも観に行った日は体調悪いし眠いしで、
さすがに泣かねぇだろうとおもってたのに、開始5分で犬猫のようにわんわんにゃんにゃん泣かされた。
でも、最初の15分くらいがピークで、あとはいつものピクサー映画に戻った(で、こっちもにんげんに戻った)。
前作『ウォーリー』とおんなじ現象である。
前半はどっちかというと大人向けで、後半はどっちかというと子供向け。
『UP』は、僕だったら家が飛んだところでとっとと終わりにしてしまう。
ポスターでジブリの宮崎監督が
「回想部分だけで満足してしまった」みたいなコメントしていたけれど、
つまり、その後は不要、といいたいのでもあったのではないか。
あそこで終わっていたら、チェコ映画にもひけをとらない、
映画史に名をのこすような最上級の短編映画になった、とおもう。
でも、商業映画としては成り立たなかったかもしれない。
すくなくとも子供むけ映画としては成り立たなかった。
前半のせつな~い雰囲気は見事に崩壊するのだけど
(序盤、弱っているからだをひきずるようにするカールじいさんの姿がまた、せつなかったのに、
いつのまにかスティーブン・セガールやジャン・クロード・ヴァン・ダム並みの強靭さに!!)、
後半は場内の子供たちがおおはしゃぎ!
いっしょに楽しめて、これはこれで素敵なのでした。
そう、ピクサーは短編映画にも、短編映画にこそ、素晴らしいものが多くて、
今回のも、『UP』の前に流れた『晴れ ときどき くもり』も、
『UP』の冒頭も、そうだけれど、サイレントで魅せられるものが多い。
5人笑わせれば100万円もらえるお笑い番組「イロモネア」で、
「一発ギャグ」「モノマネ」などクリアしなければならないいくつかの課題のなかで、
もっとも難しいのが「サイレント」だとおもうけれど、
サイレントで魅せられれば、お笑い芸人も、役者も、映画も、アニメも、一流といいうるだろう。
昔は、「サイレントを経験していない映画人はダメだ」なんていわれていたそうだ。
そういえば、ジョニー・デップがバスター・キートンのそっくりさんを演じて、
サイレント演技で魅せまくる『妹の恋人』は私のなかでジョニデ映画のなかでもベスト3に入る。
つい最近も書いた小津安二郎監督も、サイレントから出発しているので、
「映画がわかっている」ということになる。『生まれてはみたけれど』とか、素晴らしいですね。

ピクサーに戻ります。

ピクサーの長編はぜんぶ観ているけれど、どれも本当に素晴らしいのだけれど、
私のベストは、『CARS』…かな。大好きなポール・ニューマンの遺作でもある。
レーシングカーを通して、スローライフを説くなんて、なんて粋。
それから『ラタトゥイユ』(『レミーのおいしいレストラン』)も好きだ。
ネズミが最高のシェフになる話なんて、なんて粋。

ああ、そうだ、もう一度『UP』に戻ると、
ポスターでジブリの鈴木プロデューサーが、
カールじいさんが「宮さん(宮崎監督)そっくりだ」とコメントしているけれど、
実際「ラピュタ」や「魔女の宅急便」を彷彿とさせるシーンが多々あり、
(ただ、彷彿とさせるだけに、ついつい比べてしまう、
それらのシーンの飛翔感・躍動感にはジブリにはとうていかなわない…とおもう!)
ジブリへのオマージュ、あるいは本気でカールじいさんの
容姿ならびにキャラクターのモデルの何パーセントかは、宮崎駿さんなのかもしれない!?

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(photo & written by カニエ・ナハ)
by neko-tree | 2009-12-20 22:50


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