庄野(潤三)先生とチャールズ・ラムの、誕生日が一日ちがい(2月9日と10日)というのは、運命的でもあり感動的でもある。庄野さんをとおして、ラムの本も何冊かもっているけれど、ラムそのものよりも、庄野さんの文章のなかに出てくるラムが好きで、それはある映画の本篇よりも、淀川長治さんや水野晴郎さんの解説のほうが好き、というのに似ているかも。ハタチ前後のころに熱心に読みふけった庄野さんの著作、いまでは当時のように毎日のようにひもとくということはないけれど、ときどき引っぱりだして読むと「家に帰ってきた」といった気持になる。おもえばずいぶん遠くまで来たけれど、どんなに遠くまでいったって平気、というくらい、しっかりと「家」でいてくれる。
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by neko-tree
| 2016-02-10 00:16
二月三日。
○オースターの小説が好きで以前はけっこう熱心に新作を追いかけていたのだけど(『The Brooklyn Follies』なんて待ちきれず原書で読んじゃったもんね)、詩を読んだり書いたりするのがメインになって体質が変わってしまったのか、長くて長くて、もっと縮められないものか、などと思ってしまう。これはオースターが悪いんじゃなくて、小説を読む体質ではなくなってしまった私が悪いのだとおもう。でももともとかれは詩から出発したのだから、もいちどぎゅっと凝縮させた詩も読んでみたいと思う。●カサヴェテスの映画も同様で、おもしろいのだけど、いささか長いと思ってしまう。みんな140分くらいなのだもの。90分前後に縮められないものか。私がせかせかしすぎなのかもしれないけど。 #
by neko-tree
| 2015-03-03 09:16
二月二日。
○ジョイスの『フィネンガンズ・ウェイク』7,8年前に1巻の途中まで読んで、そのまま座礁している。同じ頃プルーストの『失われた時を求めて』は5巻の途中まで読んだのだけど、こちらも座礁。いつか、読み切ることができるのだろうか。速読とか身につけたら、あんなのも数時間で読めるのかな? #
by neko-tree
| 2015-03-03 09:08
二月一日。
こないだ慶応大で開かれたアンバルワリア祭、西脇順三郎と萩原朔太郎のイベントを拝聴したときに、朔太郎が●バスター・キートンに似ているという話を聞いて、言われてみれば。昔のジョニー・デップがキートンにオマージュを捧げた映画(『妹の恋人』)もなかなか似ていて、素敵でしたね。 #
by neko-tree
| 2015-03-03 08:57
一月三十一日。
こないだ詩客のウェブサイトの俳句評に俳優の○成田三樹夫さんの俳句について書いたのだけど、かれの俳句、かっこいいんですよね。「目が醒めて居どころがない」とか、読むたびに「仁義なき戦い」のテーマ曲が頭の中で流れだしちゃう。 #
by neko-tree
| 2015-03-03 08:45
一月三十日。
ひさしぶりに○ブローティガンの『アメリカの鱒釣り』とか『西瓜糖の日々』とか読みかえしている。私の新しい詩集(『MU』)に、高校生のころ愛読していた『愛のゆくえ』を登場させてみたのだけど、あの小説、その邦題は無いだろって当時からいまにいたるまでずっと不満で、直訳して『堕胎-歴史的ロマンス1966』とかでいいじゃん、とか思うのだけど。だめなのかな。 #
by neko-tree
| 2015-03-03 07:42
一月二十九日。
昨日のポロック、デ・クーニングからひきつづき画家ネタで、○バーネット・ニューマンについて。こないだ久しぶりに川村記念美にいってショックだったのは、ニューマンズ・ルームの「アンナの光」が売却されて無くなっていたことで、そうだとわかっていたら前回来たときこころゆくまで見ておくんだったな。ニューマンズ・ルームは「アンナの光」のために設計された部屋だったはずで、自然光がふんだんに入ってくるおおきな窓と、そこからのぞく樹木の緑と、「アンナの光」の赤が、すばらしいコントラストで、どれだけ見ていても、というか居ても、飽きることがない感じでした。このところ、何か所かで●藤田嗣治を見たけど、いま近代美にある藤田のいいやつなんかも、そのうちなくなっちゃうんじゃないかと心配になる。美術作品なんてのは(自分で所有しないかぎり)一期一会で、やはり見られるときにしっかり見ておかないとだめですね。 #
by neko-tree
| 2015-02-17 19:48
一月二十八日。
何年か前にイタコさんに○ジャクソン・ポロックを憑依させて、絵を描かせる、という美術作品があったけれど、あれ面白かったですね(太田祐司さん「ジャクソン・ポロック新作展」)。エド・ハリスが監督・主演したポロックの伝記映画『ポロック』はなかなかの秀作と思いますが、こないだブリジストン美でやってたデ・クーニングも出てきたりして(演じるのはヴァル・キルマー)。デ・クーニングの絵は土方巽のスクラップブックにも出てくるんですよね。デ・クーニングのモンローって、ウォーホルのモンローとは全く違ったベクトルで、こちらもものすごくクールだと思います。 #
by neko-tree
| 2015-02-17 19:40
一月二十六日。
こないだジャンゴ・ラインハルトのドキュメンタリーに出てきてあらためていいなと思ったジャズ・ヴァイオリニストの○ステファン・グラッペリ。オスカー・ピーターソンとのデュオ・アルバムを長年愛聴しているのだけど、マッコイ・タイナーとのデュオも出しているのを見つけて、こちらもなかなか良かった。コール・ポーター集も出しているんですね。これもなかなか(私の趣味からすると、いささか長尺すぎるけど)。なんか雑巾がけとか無性にしたくなる音楽だよね。 #
by neko-tree
| 2015-02-05 06:08
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