人気ブログランキング | 話題のタグを見る

廻転する夜と音楽

(前略)、海岸線を照らす街灯が植物の葉を飾りにしていく。舗道の上。 夜? 動かないで。きみと、石がつながってしまう。夜なの? 夜だよ。影だ。
--夏野雨さん「リトル・プレーヤー」(『福岡ポエトリー Vol.2』)より


音楽中毒なのじゃないかと思うくらい、時間のあるかぎり、常になにか音楽を聴いていないと気がすまない。「閉鎖された遊園地の前で、踊っているのです、わたしたち。」ではじまる夏野雨さんの「リトル・プレーヤー」という詩は作中にも出てくる観覧車の写真が詩の前の頁に載っていて、回転することで音楽が生じるけれど(最近はそうでもない。のが寂しい)、音楽を鳴らすことで止まっている観覧車がまた動きだすかもしれない。これを書いているいまは真夜中で、私はThe xx の二番目のほうのアルバムを聴いている。夜のオレンジの街灯や影の沁み込んだアスファルトみたいな音楽だな、と思う。音楽を聴きつづけている限り、大丈夫、石とはつながらないでいられる。そんな気がする。

昔のひとの詩も読みつつ、いま生きていま書かれている方たちの詩も日々読んでいます。いいな、と思うものに出会うことも多く、また、ここのブログでその中からすこしでもご紹介できたらとおもいました。前回ご紹介したのが夏野さんの作品だったので(なんと、もう二年近く前…!)、おなじ夏野さんの新作から、再開しようとおもいました。
by neko-tree | 2014-07-22 00:47


<< つやこかよしこか ブルックリンのとおい部屋 >>