一月十九日。
○セザンヌの画集の文章のところをよむ(いろんな画家のいろんな画集をもってるけど文章のところはほとんどよんでいないのである)。セザンヌは若い頃ルーブルに通ってせっせとオールドマスターの模写をしていろいろ吸収して、サロンで入選したことはほとんどなかったけど、やがて自己のスタイルを確立して評価されるようになってからも過去の巨匠から学ぶことをやめなかった、というところがよかった。岡本太郎がセザンヌのヘタクソさを褒めていたけど、大切なのは技術よりも情熱をなくさないことですね。技術ももちろん大事だけど。○ユーミンがお誕生日で、あのひとも詞や曲はめっぽううまいけれど、歌はそこまでうまくないと思うけど、それが味になっている。○宇多田ヒカルみたいに歌がうまいユーミンなんていやだ。○Coccoは歌はうまいけれどメンタルが心配で、なんかずっと目が離せないでいる。彼女の主演した映画『KOTOKO』なんて、途中から本人なんじゃないかと思ってしまってほんとうに心配になってしまった。是枝監督が撮ったドキュメンタリー映画も見たけど、とてもよかった。MCなどでのCoccoの拙い語りが、それゆえにまっすぐ響いてくる。 #
by neko-tree
| 2015-01-23 22:30
一月十八日。
○A.A.ミルンの『クマのプーさん』岩波からでてる石井桃子さん訳のアニバーサリーエディションというのを持っているのだけど横書きで、オールカラーで、挿絵がかわいくてよい本です。2011年版アニメ版プーさん見てみたのだけど、そんなにわるくなかった。セルアニメっていまは逆に新鮮ですね。で、ひさしぶりにオリジナル版も見なおしてみた。十数年ぶりに。いちばんさいごのところ、大人になるとなにもしないってことができなくなる、というせりふ、身につまされる(ほかにも身につまされるせりふが、ちょいちょい)。つまされながらも○ジム・オルークがプロデュースしたくるりの2ndやジム・オルーク自身のアルバムを聴きながら長らく中断していた○ジル・ドゥルーズがフランシス・ベーコンについて書いた本のつづきを読む。 #
by neko-tree
| 2015-01-19 23:04
一月十七日。
○坂本龍一さんと大貫妙子さんのデュオアルバム『UTAU』の冒頭におさめられた「美貌の青空」。ずっと気になっていたのだけど、調べてみたらやはり土方巽の同名の自伝(的)小説と関係があるみたい。同名の、チェ・ゲバラを題材にした歌舞伎役者による朗読劇もあるらしい。土方巽とチェ・ゲバラと歌舞伎がどんなふうに繋がるのか、気になる。ところで遅ればせながら○篠原有司男さんと乃り子さんのドキュメンタリー映画『キューティー&ボクサー』見て、これがめっぽうおもしろかった。最近見ておもしろいと思う映画はほとんどドキュメンタリーなのだけど、なんでだろう。ヤン・ヨンヒ監督の映画も『かぞくのくに』より、その前のドキュメンタリー2本のほうがよりおもしろいと思ったし、『バックコーラスの歌姫たち』も『シュガーマン』も(どちらもアカデミー賞のドキュメンタリー賞とってるやつ)すごくよかった。 #
by neko-tree
| 2015-01-18 20:26
一月十六日(その二)。
大学生のときに新宿の紀伊国屋で買った、講談社版の●アンドリュー・ワイエス画集が見つからない。Bunkamuraでの個展のときの図録は見つかったのだけど。あのときはまだご存命だった。生涯ほとんど描くことがなかった自画像の、貴重なテンペラ画が2点出品されていた。オルソン姉妹もヘルガも、荒涼とした風景の細部も(ついでにいうならそれを構成する線の一本一本までも)、すべて自画像のようなものだったのかもしれない。 #
by neko-tree
| 2015-01-18 20:12
一月十六日。
くるりのアルバム『さよならストレンジャー』(●佐久間正英さんプロデュース)を久しぶりに聴きなおしながら(何度聴いても「傘」の途中で音量がでかくなるところでびっくりする。「ハワイ・サーティーン」と「葡萄園」2曲のインストが好き)、高峰秀子著『私の梅原龍三郎』読む。●梅原龍三郎が高峰秀子に宛てた手紙から。「画廊で美しいルノワール四点見る。欲しいようなのは数千万円で手が出ず、欲しいようなものを自分で描くべく努力すべきであると思う」。なるほどね。龍三郎夫人の艶子さんの読み方がわからない。つやこかよしこか。 #
by neko-tree
| 2015-01-16 22:09
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